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〜2008年6月7、8日/湯布院泊・久住山の旅〜
「やっぱり明日、ヒジには行かんといかんろう?」
「そうやね。」
鳥やN氏と花の先生がそんなことを話している。
3年ぶりの久住山への山行は、私が新しく作ってもらった登山靴の履きおろし記念にと、
花の先生と鳥やN氏、そしてKザーくん夫婦の5人参加の山行となった。
夕方、高知(須崎)を出発し、夜遅く湯布院にある先生の別荘に着いて、
明日の予定のことをいろいろ話し合っているときに先ほどの会話を聞いたので、
私はてっきり久住連山の平治岳(ひじだけ)のことだと思った。
「平治岳から見た三俣(みまた)がピンクの絨毯になっちょったらいえなあ。」
それを聞いて二人はニタニタ笑っている。
「実はそのヒジとはまた違うヒジながやき。」(この“ながやき”の語尾の“き”は上に上がるのだ。)
「えー、そうなが?」
ということで、翌朝7時過ぎ、大分県の日出(ひじ)の魚市場にみんなで出かけた。
今晩の食材をゲットするためだ。
魚市場に到着すると、花の先生が、車から長靴を出して履き替えた。
さっすが!
「これでこのゴム長が白やったらパーフェクトやったにねー。」
と、鳥やN氏。 うん、魚市場には白のゴム長が一番よく似合う。
市場いっぱいにトロ箱が並べられていて、車海老やらコウロウ、黒鯛、ヒラメ、
いろんな魚を取り混ぜて入れてあるものなど、ものすごい数と量。
仲買業者さんだけではなく、私たちのような一般のお客さんもいっぱい来ていて、
トロ箱の縁を歩き回って欲しいものに目星をつけておき、
業者さんが競り落としたものをその場で買っていくのだそうだ。
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日出の魚市場。
やっぱ白ゴム長のオンチャンたち、
いますね。(^^)
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その中にちらほら、皮を剥がれて肌色一色の長ニョロ系が入れられたトロ箱があった。
ちょっとグロい。ウナギの一種? ヤツメ?ウミヘビってことはないよねー?
普通のウナギとちょっと口が違う気がする。
そう思いつつ一般客と仲買業者の会話を聞いていると、
「ドロボウ」という言葉が出てくる。 「ねえさん、これ、ドロボウかい?」
業者さんが言うには、ドロボウしてでも食えっていうんで、ドロボウと呼ばれているとか。
後で調べると、「ヌタウナギ」という種類で、やっぱり普通のウナギとちょっと違う。精がつくらしい。
7時半から競りが始まり、次々と競り落とされ、トロ箱がどんどん片付いていく。
あの、「ドロボウ」も、競り落とされた先から見知らぬおっさんが即買いして持って帰る。すごい面白い。
花の先生も慣れた感じでトロ箱を買い上げている。
ゲットしたのは、でかいコウロウ1尾の1箱(買い値なんと1,950円!)、
どっさりの車海老1箱、そしてシャコやらなにやらアラカルトな1箱、
どれもびっくりするくらい安いのだ。
コウロウはその場で血抜きしてもらって、あとは花の先生が捌いていろんな料理に変身することだろう。
さて、そんな魚市場からいったん別荘に帰り、手早く支度をして久住山へ向けて出発。
「牧ノ戸登山口に車を置けたら、牧ノ戸から登る?」
という案が出た。
赤川からの南面を登るルートは勾配がきつい。
登ったことはないのだが、3年前に牧ノ戸から登って山頂付近の尾根から
南面を見下ろしただけで、うっわ、こんなルート登るのしんどいだろうなあ、、と思った。
牧ノ戸からだと標高もあり、登山道もゆったりしたコースになっている。
が、だからこそ、人の数が尋常じゃない。たぶん無理だろうなあ、、。
という予想通り、駐車場周辺は、車で溢れていた。
だいぶ手前とか、だいぶ先に車を止めて車道を歩いている人もたくさんいる。
車道を歩くのはしんどいよなあ。。
で、私たちは止まることなく牧ノ戸を通り過ぎ、ぐるっと南へ回り込み、赤川登山口の駐車場に到着。
ラッキーなことに、1台分空いていた。

赤川登山口の駐車場。トイレあり。 |
準備をして、登り始めた。時刻はすでに午前10時45分を過ぎていた。
ものすごく硫黄臭い。
最初は石畳の道や作業道のような道を歩き、途中で山道に入り、また作業道に
出たりしながら登って行く。

登り始めの石畳道。
数分で、渓を渡る。
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そのうち、大きな堰堤の脇に出て、コンクリートで固められた道を登って行ったが、
なんだか足元も頭上も木が邪魔で、うっとおしくて登り難い。
足場もどんどんガタガタになってきて、なんか変、。それでもだいぶ登ったねぇ、とか言っていると、
「道間違えた。」
と先頭を行く花の先生が引き返してきた。
へ? どおりで・・・。 ってことでいったん下りる。ガクッ。
前来たときこんな堰堤の横を登って行ったりせんかったけど、
別の道ができちゅうがかなあ?ぐらいに思いよった、と鳥やN氏。
だいぶ下りると作業道から山道へ入る分岐がちゃんとあり、そこから本格的な登山道となる。

樹林帯の中を登ってゆく。 |
相変わらず花の先生とKザーくん夫婦は足が速い。どんどこ登っていく。
南側と言っても最初は樹陰の中を、そこそこの角度で登っていく。
まだ息はきつくはないが、早いピッチで遅れずについて行く勇気も脚力も、あ〜ぴょんにはない。
鳥の声がいっぱい聞こえている。
なんか、オオルリっぽいけど、んー、、なんか微妙にヘン?なのが鳴いていて、
あれはオオルリかと鳥やN氏に聞いた。
「んー、、そうかな?と思ったけどあれ、ソウシチョウやね。」
と言う。 出た、ソウシチョウ。
やたらめったらでかい声でお話しするように鳴くソウシチョウ。
やけに大声なキビちゃんやなあ、と思っていたら実はソウシチョウ。
なんかいつもお騒がせな鳥やけど、オオルリもどきな鳴き方もするのか。
あ〜ぴょん、姿ははっきり見たことないけど、「黄色と緑のヘン〜な鳥で。」と
N氏が言うので後日ググッて見たら、ほんと、おもちゃみたいなとぼけた顔!
高度が上がっていくにつれ、しだいに樹木の背丈が低くなり、ミヤマキリシマや
ドウダンツツジの仲間などが多くなってきた。
それに、イワカガミが咲いてる!
少し見晴らしのいいところで小休。眼下を見下ろすと、やっぱガガーンと高度感がありますよ。
上を見上げると、、、 、、、、
がー、、^_^; きっつそうで、ちょっと凹む。けど、山頂はそう遠くない。
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森林限界を超え、
あとは岩場の多い急登となる。 |
ちょっと、履き下ろしたばかりの登山靴を脱ぐ。靴の具合はいいと思うんだけど、
今日履いてきた登山用の靴下の方が、、、私にはちょっと大きめで靴擦れができやすいのだ。
専用ではない中敷を、入れたり出したりして、結局この先の山頂までの登りは
中敷を外して登ることにした。
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ブーティL。
中敷を外したところ。ちなみに、花の先生も
鳥やN氏もブーティLだ。
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